短時間でも読めるコミックのすすめ

総四郎まいる! /藤馬かおり /全1巻

女学校の前に、ひとりの殿方が。それはの幼馴染の総ちゃんだった。
時は大正2年。生まれたときに母を亡くし、医者になるのが夢の貧乏学生総四郎と、そんな総四郎にひそかに恋をする神崎邸のお嬢様 弥智生(みちお)の恋物語。

 

父からは総四郎と会うことを再三注意されていたが、いつかどこかの物語のように、うまくいくと思っていた。

 

結婚するなら総ちゃんがいい、そう思っていた弥智生だが、侯爵とのお見合いの話が来て、断れば父の顔に泥を塗ることになり、涙ながらに申し込みを受けてしまう。

 

身分違いという一見重い設定も、破天荒で元気すぎる総四郎と可愛らしい絵柄のおかげでコミカルな作品になっている。

 

総四郎の少しつらい家庭事情と、誘拐事件に巻き込まれる第二話、財閥のおぼっちゃん譲二が恋のライバルとして現れる第3話、満月の夜は狐になってしまう女の子のファンタジックな短編と、記憶喪失の恋愛を描いたデビュー作も収録されている。

 

どんな時でも絶対にあきらめない総四郎がかっこよく、純情でおとなしいが時々大胆な行動に出る弥智生も好感が持て、二人の恋を応援してしまう可愛らしい作品だ。

作者のファンであれば、この作品(シリーズ)も有名じゃないの? と訝しげるかもしれないが、にわかな人には、”鉄道の殺人事件ばかり書いてる人”というイメージが強いと思う。

 

本作品は、古今東西の名探偵が一堂に会する夢の作品である。似たような設定の作品に、映画の「名探偵登場」およびその続編があるが、本作はパロディではあるものの、各原典をリスペクトしており、各探偵たちのファンからも概ね納得を得ている模様である。

 

本作品は、完全玄人向きであり、何より名探偵たちの原典を読み込んでおかないと楽しめないギミックが、いくつも仕掛けられている。従って、この作品を読む前に、それら原典を読み込んでおくことを強くお薦めする。

 

所謂、オールスターものであるが、登場人物を絞っているので、各名探偵の見せ場は十分。最後は一致団結して真犯人に最後通牒を付きつける描写は、王道の物語を見ているようで、非常に心地よい気分になれる。

続きを読む≫ 2014/01/20 18:40:20